早稲田大学理工学術院情報理工学科/情報理工・情報通信専攻 専門科目対策(院試)
はじめに
-
情報基礎:プログラミング、情報数学、離散数学
-
計算機システム :オペレーティングシステム、コンピュータアーキテクチャ
-
情報通信ネットワーク:情報ネットワーク
これらについて参考書と勉強内容について書いていこうと思います.はじめに伝えておくとネットワーク以外は毎年気まぐれのように傾向が変わります.そのため広く浅く学んでおく必要があります.
また過去問は学校の入学センターに行っても過去3年分しかありません.そのため内部の先輩に研究室訪問の際にさらに過去の分をもらっておきましょう.
因みに学校説明会に行くと研究室訪問は絶対行ってくださいと言われますが,私はいかなくても(本当は3回メールを送ったにも関わらず返信が来なかったので私は悪くない←)合格できました.
それでは各教科について見ていきましょう.
情報基礎
プログラミング
プログラミングはアルゴリズム的な立ち位置です.プログラミング言語はC言語が出題されるので基本文法を確認しておきましょう.参考書は好きなものを使えばよいと思いますが,「やさしいC」をやっておけば十分かと思います.
アルゴリズムは東京大学対策でアルゴリズムイントロダクションを使用していましたが, そこまで早稲田では要求されないのでデータ構造とアルゴリズムだけで充分です.
またこれでも足りないと感じた方はどこかの大学の授業資料にて勉強するのが良いです.オーダーの話やアルゴリズムの例外などは授業資料の方が詳しいことが多いです.
私は上智大学の教授 宮本裕一郎先生の授業資料を使用しました.年によってサイトが異なるので自身で調べてみてください.
アルゴリズムはソーティングやスタック,探索アルゴリズム,動的計画法が主に問われています.基本穴埋めからそのアルゴリズムについてのオーダーや動作方法について求める問題が来ます.ここは落とさず点を取りましょう.
情報数学
情報数学はエントロピーが主に問われます.ハフマン符号も対策しておけば安心でしょう.情報数学は出る年よりも出ない年の方が多いです.基本的に情報数学が出ても難しくないので点取り問題です.使った参考書はちくま学芸文庫の「情報理論」です.
わかりやすくまとまってるのでおすすめです.あとは過去問を解いてネットに載ってるような問題を数個解けば十分です.
離散数学
離散数学は通常の離散数学と形式言語を内包しているので注意が必要です.私自身,東京大学の対策のために勉強していたので早稲田のために特別な勉強はしていませんが,結構深くまで聞かれる印象です.(特に形式言語)
一応参考書を列挙しておきます.離散数学は「離散数学への招待」と「やさしく学べる離散数学」です.
早稲田では「離散数学への招待」程対策する必要はないと思います.「やさしく学べる離散数学」で勉強して解けるようになれば十分な気がします.
形式言語は3つの参考書を使いましたがここでは2つのみにします.(残りの一つは全く役に立たないと思うので)「オートマトン・言語理論の基礎」と「計算理論の基礎1.オートマトンと言語」がおすすめです.
- 作者: 米田政明,大里延康,広瀬貞樹,大川知
- 出版社/メーカー: 近代科学社
- 発売日: 2003/05/01
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- 作者: Michael Sipser,太田和夫,田中圭介,阿部正幸,植田広樹,藤岡淳,渡辺治
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2008/05/21
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オートマトン構築問題に関しては「オートマトン・言語理論の基礎」で問題演習を重ねるのが良いです.またチューリングまでまとめてあるので読む価値ありです.その代わり証明系が一切ないのでそこは「計算理論の基礎」で知識を補強しましょう.また「計算理論の基礎」はかなりわかりやすく書いてあるので一冊やり終わった後に読むと感動します.
ちなみに定義に用いる記号やそもそもの定義自体異なる場合がありますが,基本的に「計算理論の基礎」の記法に合わせましょう.その方がスタンダードです.
計算機システム
OSやアーキテクチャは非常に対策しにくいです.通常の勉強であれば勉強しやすいのですが重箱の隅をつつかれやすいので早稲田のような点を取らせない問題としては最適なわけです.なのでちゃんと点を取りたい方はここをしっかりやって本番で解けなくても悲観せず,とれるものから取っていきましょう.
オペレーティングシステム
OSに関しては,スケジューリング問題やマルチプロセス系が出される印象です.ですが過去4年分しか手に入らなかったので傾向らしい傾向が私もよく掴めていません.
OSに関して使用した参考書は以下の通りです.
オペレーティングシステム (未来へつなぐ デジタルシリーズ 25)
- 作者: 菱田隆彰,寺西裕一,峰野博史,水野忠則
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2014/09/09
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岩波講座 ソフトウェア科学〈〔環境〕6〉オペレーティングシステム
- 作者: 前川守
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/09/06
- メディア: 単行本
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この3冊の中で一番使ったのが「情報工学レクチャーシリーズ」です.この本だけでマルチプロセスやスケジューリング問題は大丈夫だと思います.ただ私が受けた年に「岩波講座 ソフトウェア科学」でしか扱われていないアルゴリズムが問われたので,岩波講座のような本を読む必要もありそうです.
岩波講座は分厚くて読む気が失せそうですが結構わかりやすいのでお勧めではあります.
コンピュータアーキテクチャ
コンピュータアーキテクチャでよく問われるのはこれ!というものがありません.仮想記憶も出題されるしディスク管理も出題されたし並列処理や機械語も出たし...ここに関しては本1冊ちゃんと覚える必要がありそうです.
お勧めなのは「電子情報通信レクチャーシリーズ コンピュータアーキテクチャ」です.
コンピュータアーキテクチャ (電子情報通信レクチャーシリーズ)
- 作者: 坂井修一,電子情報通信学会,電子通信学会=
- 出版社/メーカー: コロナ社
- 発売日: 2004/03/01
- メディア: 単行本
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必要なことがコンパクトにまとまっています.これさえやっておけば間違いなし.ただ問題が少ないです.早稲田も過去問が限られているので東京大学の電子情報学専攻の過去問なども解きながら対策するとよいでしょう.
仮想記憶に関してですが様々なタイプの構造やTLB,ページテーブル,キャッシュと数種類が存在するのでこんがらがってしまいます.ちゃんと整理して視覚的に理解できるようなまとめノートを作ることが大切です.
回路基礎・論理回路
回路基礎
回路基礎に関してはあまり助言できないです.理由としては本番の回路基礎に関しては何も書けず白紙で提出したためです.めっちゃ苦手です.
私が対策した内容は主にオペアンプです.過去問ではオペアンプと伝達関数ばかりだったのでそれしかやっていなかったのですが,回路基礎ということもあり電子回路もちゃんと勉強しないと点は取れなさそうです.
一応参考書です.
ただほとんど出なかったですね...(笑).伝達関数に関しては「現場で役立つオペアンプ回路」が詳しいです.
電子回路についてはこのサイトの方が詳しそうです.
論理回路
論理回路は東京大学の院試対策で勉強していたので早稲田用ではありませんが以下の参考書をやっているだけで他に対策することはありませんでした.
毎年傾向が違うので何とも言えませんが順序回路まで一旦やったらあとは組み合わせ回路~カウンタあたりまでを重点的にやれば大丈夫な気がします.
static-1-hazardなどマイナーなものも聞かれるのでそこらへんは大学の授業スライドなどで確認するとよいでしょう.東京大学 論理回路と調べるといい授業スライドが出てきます.
情報通信ネットワーク
情報ネットワーク
情報ネットワークの範囲はかなり勉強したので当日救われました.この範囲だけは傾向が崩れないのでちゃんと勉強しておきましょう.
参考書は2つあり,主に使っていたのはマスタリングTCP/IPの方です.
- 作者: 竹下隆史,村山公保,荒井透,苅田幸雄
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2012/02/25
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学んでおくべきことは
- OSI参照モデルと各層の名前とフレームの呼び方と機器の対応
- TCP/IPのデータの流れ
- プロトコルの名前と何をするか
- TCP/UDPのポート番号
- パケットのヘッダの読み方
- RIPとOSPFの内容と差異
- スロースタートと輻輳回避,輻輳制御系
- ハッシュと暗号化
- 多重アクセスプロトコル(CSMA/CD方式,CSMA/CA方式)の動作と違い.
これくらいでしょうか.これらを押さえておけば大体ここで点は取れると思います.試験の直前まで用語の暗記と動作を確認しておきましょう.
終わりに
早稲田の専門科目は予想では7割あれば安心して合格できるラインだと思います.私のように傾向が大幅に崩れた年は6割でも合格できる可能性があるので専門で解けなかった...と思っても気を落とさず面接に行ってください.周りを見てみると3割くらいの人が面接に来てなかったので非常にもったいないなと感じたのを覚えています.
私は東京大学の併願先として受験をしましたが,早稲田は早稲田の癖がある問題で結構苦労しました.東京大学が「与えられた問題をあなたの地頭と経験で解けますか?」問題なのに対し,早稲田大学は「このマニアックな知識知ってますか?またこれだけ広い範囲勉強してきていますか?」問題なので早稲田に関しては知識量の重要さがわかると思います.
ぜひみなさんもこのブログを参考にして自分の行きたい大学に合格していただければ幸いです. 頑張って.
早稲田大学理工学術院情報理工学科/情報理工・情報通信専攻に合格しました
はじめに
2020年度,早稲田大学 理工学術院 情報理工学科/情報理工・情報通信専攻に合格しました.早稲田大学の院試情報はほとんど見つからず情報収集に苦労した覚えがあるのでここに書き記しておきます.因みに外部からの受験です.
受験科目
試験は英語,専門科目,面接の3つです.
英語
のいずれかを満たしていることが条件です.英語に関してはこれらを超えていれば大丈夫かと思います.私はTOEIC600点前半で出願しましたが合格しました.多分英語の点数は足切り程度にしか見られず,重要なのは専門科目の点数です.英語は早々にボーダーをクリアし専門科目の対策に移りましょう.
専門科目
- 情報基礎:プログラミング、情報数学、離散数学
- 計算機システム :オペレーティングシステム、コンピュータアーキテクチャ
- 回路理論・論理回路:回路理論、電子回路、論理回路
- 情報通信ネットワーク:情報ネットワーク
面接
面接の詳細は以下の通りです.(早稲田大学大学院入試修士課程一般・飛び級入試問題一覧より)
面接時に口述試験を実施します。これまでの研究内容と将来の研究計画について、各自 15 分(内訳:発表 10 分、質疑応答:5 分)を持ち時間として発表してください。PC プロジェクターと黒板を用意してきます。PC を使用する場合は、各自 PC を持ち込んでください。このとき、念のため PC を用いて発表する内容を記憶させたバックアップ(例えば、USB メモリや CD-R)を用意してください。面接は書いてある通り10分の発表と5分の質疑応答があります.時間はきっちり計られ5分おきにベルが鳴ります. 発表の際には発表用スライドとバックアップ,macユーザーならHDMI変換ケーブルを持っていきましょう.順番に呼ばれて入室後すぐに発表です.間にチャチャは入れられないので自分なりのペースで発表できます.10分きっかりで終われるように練習しておきましょう.
終わりに
説明会に参加した方はわかるかと思いますが早稲田の外部入試はほとんど人を取っていません.140人定員と掲げてはいるものの120人が内部進学,実質空いている枠は20人のみです.この枠を取り合います.なるべく点を落とさないような勉強をしましょう.とは言っても受験者のほとんどは外国から来てるので平均点は低いようです.自分を強く持ってください.
私も当日電子回路の大問丸ごと落として他もちらほら間違えて,自己採点では6割前半ほどでしたが,第一志望の人気の研究室に合格できました.
このブログが皆さんの参考になることを祈っております.
※当ブログから得た情報によって不利益が生じた場合,私は責任を負いませんので予めご留意ください.
東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 専門科目対策(院試)
- はじめに
- コンピュータ科学専攻:専門科目
- 情報数学
- 数値計算
- 離散数学
- アルゴリズムと計算量
- 形式言語
- 論理学,デジタル回路
- コンピュータアーキテクチャ(プログラミング言語,計算機アーキテクチャ)
- オペレーティングシステム
- 機械学習
- その他
- まとめ
はじめに
専門科目の対策にはかなりの時間をかけました.コンピュータ科学専攻の専門科目は異常とも思えるほどの科目量です.正直私も半年間ですべては勉強できませんでした.その量の多さゆえに当ブログの紹介も長くなるのでご了承ください.
コンピュータ科学専攻:専門科目
専門科目は1と2に分かれており,科目は以下の通りです.
専門科目Ⅰ
情報数学,数値計算,離散数学,アルゴリズムと計算量,形式言語,論理学,プログラミング言語,計算機アーキテクチャ,オペレーティングシステム,デジタル回路
この中から3問程度出題され3題すべてに解答する.出題にはJavaまたはC言語を使用する場合がある.
専門科目Ⅱ
専門科目Ⅰの科目に加え,機械学習,グラフィクス,自然言語処理,バイオインフォマティクス,コンピュータビジョンを出題範囲とし,この中から6問程度出題される.2問選択して解答する.C言語を使用する場合がある.
専門科目ⅡはⅠの内容も含まれているので主にⅠの内容から勉強するとよいでしょう.
専門Ⅰから順に参考書と勉強法について紹介していきます.因みに学校推薦の参考書は基本難しいか,海外の本を英訳したものなので言い回しばかりでわかりづらいです.
情報数学
情報数学は正直出題されにくいのでそんなに対策はしませんでした.読んだ参考書は1つのみ
この本は小難しく書いていないので電車の中などでサクッと読めます.よく構成されているなぁという印象です.情報数学は様々なエントロピーの理論と導出からハフマン符号の内容さえ押さえておけば十分かと思います.
それに出題されたところでオリジナルルールの符号化をして,そのエントロピーを求めよとか,確率や確率遷移の問題でエントロピーを求めよとか,それくらいしか使いどころがなさそうです.しかし何が出るかわからないので知識として持っておくことは重要です.本を買わないにしてもサイトでエントロピーを勉強しておくとよいでしょう.
数値計算
数値計算は解析や線形代数の数学の知識がかなり必要で出題範囲もかなり広いです.私が最も苦労を要した科目です.
この本には解答がありません.問い合わせたところプログラムがようやく公開されましたが一部しかありません.なんとこの本は「学校推薦の参考書」です.後輩たちのためにも全解答が公開される日が来るといいですね.でもまとまってはいます.解答はないけど.
ただこれを読むだけでは公式が出てきた背景がわからず,暗記するだけになってしまいます.そのため東京大学が公開している数値解析の授業(https://ocwx.ocw.u-tokyo.ac.jp/course_11404/)を参考にすると良いと思います.松尾さんのしゃべり方がくせになります.
数値解析で主に問われるのはニュートン法(2変数以上もあり),コレスキー分解,誤差系で常微分方程式の計算法,偏微分方程式の計算法も出ますが正直難しいので私は解きませんでした.計算方法を知るだけでは大門中30%くらいしか取れないので計算の安定性や次数,収束性も押さえておきましょう.
離散数学
離散数学はほぼ毎年出題される常連さんです.ただ範囲も広く地頭が最も試される科目です.形式言語やアルゴリズムと密接に関係しており考え方を知っておくことで解ける問題がかなり増えるので勉強することに越したことはないです.専門科目の中で最初に勉強するのがいいかもしれない.使った参考書はやさしく学べる離散数学と離散数学への招待です.
やさしく学べる離散数学で基本を学び,離散数学への招待で楽しさを学ぶとよいでしょう.英訳本なので回りくどく長いですが基本は上巻のみで十分なので我慢して読みましょう.私は下巻をほとんど読んでません,時間なかったし.離散数学への招待も答えはないので誰かが共有している答えか答え有の別の参考書で演習しましょう.いろんな解法に触れることで問題のアプローチの仕方が思いつくようになるのでたくさん問題を解きましょう.
離散数学の主な問題はノードとパスの問題に帰着できるので,小道や閉路のノードとパスの関係を読み込んでおくことで証明系は大丈夫かと思います.写像や同値関係,順序性,閉包などはよく聞かれます.証明法をおさえておくことが重要です.
アルゴリズムと計算量
アルゴリズムについて,範囲はそんなに広くはないものの深くまで掘る必要があるので難しいです.参考書は学校指定のものが最も簡潔でわかりやすいです.私は主にアルゴリズムイントロダクションで勉強しました.
アルゴリズムイントロダクション 第3版 総合版:世界標準MIT教科書
- 作者: Thomas H. Cormen,Clifford Stein,Ronald L. Rivest,Charles E. Leiserson
- 出版社/メーカー: 近代科学社
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学校指定の参考書でアルゴリズムの概要を学びつつ,アルゴリズムイントロダクションで演習するのが効率的です.アルゴリズムイントロダクションは分厚いですが丁寧に書いてあり,わかりやすいです.漏れなくやればどんな問題にも対応できるかと思います.計算量とアルゴリズム構築,具体的な計算,例外の計算(ダイクストラ法の負の値の対応など),アルゴリズムの比較(ダイクストラ法とワーシャルフロイド法など)が主に問われるのでここら辺を意識しながら勉強するとよいでしょう.
因みに蟻本やプロコン対策のデータ構造とアルゴリズムはアルゴリズム構築や計算量の勉強に向いていますがやるくらいならアルゴリズムイントロダクションを時間かけてやる方が効率的だと思います.
形式言語
形式言語とオートマトンにはかなり苦労しました.オートマトンの構成や定義,証明など暗記することが多い科目だなと個人的に感じました.オートマトンの構成は完全に思いついたもん勝ちなので経験と発想を鍛えることが重要です.
使った参考書はオートマトン・言語理論の基礎,オートマトン言語理論-計算論〈1〉,計算理論の基礎1です.
- 作者: 米田政明,大里延康,広瀬貞樹,大川知
- 出版社/メーカー: 近代科学社
- 発売日: 2003/05/01
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オートマトン言語理論 計算論〈1〉 (Information & Computing)
- 作者: J.ホップクロフト,J.ウルマン,R.モトワニ,John E. Hopcroft,Jeffrey D. Ullman,Rajeev Motwani,野崎昭弘,町田元,高橋正子,山崎秀記
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- 作者: Michael Sipser,太田和夫,田中圭介,阿部正幸,植田広樹,藤岡淳,渡辺治
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オートマトン言語理論-計算論〈1〉はこれまで読んだ本の中で一番わかりにくい本です.これで勉強するのはお勧めしません.私は最初にこれを読み,だいぶ時間を無駄にしました.
オートマトン・言語理論の基礎は証明がない代わりにオートマトン構築問題が多く取り扱われており具体的な解答があります.形式言語は新たなルールで生み出された言語に対して構築,証明することが大事なので計算理論の基礎で慣れておくことが大切です.
有限オートマトンと正則言語,自由文脈言語の対応と棲み分けは問題としてもよく突っ込まれます.正則言語と自由文脈言語のPumping-Lemmaは証明系の要なので補題の証明も含めて覚えておきましょう.
内部生は先生お手製の教科書を持っておりそこに試験の類似問題が載っているそうです.東京大学の友人がいるなら譲り受けるのがいいと思います.「蓮尾一郎 形式言語理論」で調べれば授業ページが出てきます. そこには実際の期末テストの内容などがあり過去に入試でも出題された内容が解答付きで載ってるので利用するほかないです.(ただ教科書は学内ネットのみアクセス可能です.)答えを見る感じ,この教科書は計算理論の基礎を基にしてる気がします.
論理学,デジタル回路
論理学はコスパがいいです.学習に時間がかからず,本も1冊だけで十分なのですぐに対策が終わります.論理回路はやり方を覚えれば,あとはロジカルに構築していくだけなので点も取りやすいです.参考書は論理回路入門だけ使いました.
入試の傾向としては既存のカウンタや加算器を工夫して使わせる問題が出がちです.(H31 専門Ⅰ 大門1がいい例です.)なので論理回路入門の章末問題はしっかりやった方がいいです.また信号機を作ろう!的な順序回路はあんまり出題されることがないので一度読むだけ読んで後は組み合わせ回路~カウンタを重点的にやるとよいでしょう.まだ出題されたことはありませんがstatic-1-hazardとか特殊な事例も押さえておくと完璧だと思います.
コンピュータアーキテクチャ(プログラミング言語,計算機アーキテクチャ)
ここが一番時間をかけたといっても過言ではないです.入試本番1問も出ませんでしたが(泣)アーキテクチャ系は暗記が命です.知らないと書けません,解けません.例年通りならば必ず出ます.やりましょう.絶対です.
参考書は有名なパタヘネ本(コンピュータの構成と設計:著者のパターソンとヘネシーよりパタヘネ本と呼ばれる)から手を付けましたが完全に間違いでした.丁寧に書いてある割に言い回しのせいでわかりづらく,きついです.また重く幅を取るため外に持ち運んで勉強したい方には向きません.鈍器に近いです.でも持っておいた方がいいのは事実です.細かいところを突かれたときパタヘネ本にしか書いてないことがあるので辞書的な役割で持っておくのが吉です.一番使った参考書は電子情報通信レクチャーシリーズのコンピュータアーキテクチャです.これは東京大学の実際の授業でも使われている参考書でパタヘネ本を簡潔にまとめた本という印象です.エッセンスのみを抽出しているのでわかりやすく,問題も解答付きで載っているので勉強しやすいです.
コンピュータアーキテクチャ (電子情報通信レクチャーシリーズ)
- 作者: 坂井修一,電子情報通信学会,電子通信学会=
- 出版社/メーカー: コロナ社
- 発売日: 2004/03/01
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アーキテクチャでよく問われるのが仮想記憶,並列構造です.仮想記憶はTLB,ページテーブル,キャッシュ,2次記憶とそれぞれに構成が異なります.それゆえに頭がこんがらがりよくわからなくなるのでしっかりとまとめて暗記することが大切です.さらに手法が様々なので名前と手法をリンクさせましょう.
仮想記憶はなぜかサイトによってやり方がまちまちで混乱した記憶があるのでいつか当ブログでまとめたいです.並列構造はコンピュータの機構をしっかり理解しているか問いやすいので出題される傾向にあります.ただそんなに深いことは聞いてこないので教科書に載っている内容をしっかりと覚えていれば対応できるレベルだと思います.
機械語やディスクのシーク系はたまに出ることがあります.覚えておいて損はないでしょう.しかし機械語は命令の形さえわかってしまえばプログラム問題と一緒ですし,ディスクのシーク系は他大学の過去問を見てみると問題にルールが書いてあることが多いのでそこまで構える必要はなさそうです.(断定はできません.)
電気情報の過去問と傾向は似ているのでコンピュータ科学の過去問が終わってしまった人は解いてみるのもよいでしょう.
オペレーティングシステム
オペレーティングシステムは結構範囲が広いので何を対策したらいいのかよくわからないです.過去に出たのはデッドロック,ダイニングフィロソフィア問題,ページング・セグメンテーション,スケジューリング…傾向らしいものがないです.ただスケジューリングは他のアーキテクチャ系と絡めやすいので出されがちなのかなと思います.ここは1冊の参考書をパラ見して過去に出された用語を中心に攻めていくのが効率的な学習方法です.使った参考書は以下の3つです.
オペレーティングシステム (未来へつなぐ デジタルシリーズ 25)
- 作者: 菱田隆彰,寺西裕一,峰野博史,水野忠則
- 出版社/メーカー: 共立出版
- 発売日: 2014/09/09
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岩波講座 ソフトウェア科学〈〔環境〕6〉オペレーティングシステム
- 作者: 前川守
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1988/09/06
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未来へつなぐデジタルシリーズはデッドロックについて詳しく書いてあったのでそこだけ参考にして他は読んでません.情報工学レクチャーシリーズはすべて読みました.章末問題は解答が詳細に書いてあってわかりやすいです.排他制御問題とスケジューリング問題がかなりしっかり書いてあるのでお勧めです.
ソフトウェア科学シリーズの方は古い本かつ分厚いので,最初抵抗感がありましたが読んでみれば簡潔にわかりやすく書いてあるのでこれもおすすめです.ここにしか書いてないもので早稲田の院試に出たものもあるのでここで点を取りたい人は必読といってもいいくらいです.
機械学習
機械学習は私の専門でもあったのでそんなに勉強せずに行ったのですがこれが間違いでした.手法を知っているだけではなく統計的な面から論ずる力がないと解答として不十分なものとなってしまうのでちゃんと本を買ってやりましょう.
学校指定の本はパラ読みしてみましたが重要な公式がいくつか書いてありまとめてあるという印象を感じました.読み物として良くできてはいますが,入試で聞かれるような問題を解くという感じはないです.そのため別の本で対策すべきかと思います.
統計的機械学習―生成モデルに基づくパターン認識 (Tokyo Tech Be‐TEXT)
- 作者: 杉山将
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2009/09/01
- メディア: 単行本
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その他
グラフィクス,自然言語処理,バイオインフォマティクス,コンピュータビジョンはやってません.すいません.しかし,バイオインフォマティクスに限って言うと,ただの確率の問題なので本番中に解ける問題がなくて困ったときはチャレンジしてみるのも手です.書くいう私も当日は機械学習と数値解析の問題がわからずコンピュータビジョン?グラフィックス?的な問題を選択したので,ここら辺は勉強して知識を蓄えるというより問題を読み込む力をつけることが大事なのかもしれないです.
まとめ
私の場合,専門のために勉強した内容がほとんど本番で問われませんでしたが勉強の過程で身に着けた「限られた時間で考える力」を駆使することで合格できました.そのため知識の暗記も重要ですが5年分の過去問を自分の力で解くことを意識して勉強すると良いのではないかと思います.
数学と合わせて全体で6~7割を目安にとれるように頑張ってください.でも本番は難易度が上がることで5割で合格できることもあるので全然解けなくても気を落とさずちゃんと面接には行ってくださいね.
東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 数学対策(院試)
数学対策
情報理工学系研究科の数学は2時間半で線形代数,解析学,確率・統計の3分野が問われます.私のように,単位を取らせるだけのあっさりとした数学に慣れてきた人にとっては非常に難しいと思います.当たり前ですが,過去問には答えがついておらず数学が苦手な人にとっては地獄です.さらに過去問は不親切なことに過去5年分しか公開されていないので研究室訪問の際に積極的に院生に声をかけて過去問をもらいましょう.(2019年の春までは15年分程あったのですが消されてしまいました...)
私の取り組んだ過去問演習の方法はまずは2時間粘って考えてみてダメなら参考書やサイトや他人の答えからヒントを得て考えるのが一番だと思います.本番は意味わからんくらい難しい問題しか出ないので,自分で考える力を養うことが重要です.
目安の点数は大体6割くらいです.もちろん専門科目を9割程取れば数学3割でも受かりますが,専門事故ったとき用に6割取っておきましょう.因みに内部生は平気で満点取ってきます.頑張って戦いましょう.
線形代数
まずは線形代数から,線形代数は毎年固有値,対角化,たまにレイリー商やラグランジュの未定乗数法など比較的対策しやすい内容が出題されます.しかしイレギュラーもあり証明だらけの地雷年もあるので参考書はしっかり読み込んでおく必要があります.参考書はマセマ,大学院への数学を主に使用しました.
スバラシク実力がつくと評判の線形代数キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
- 作者: 馬場敬之
- 出版社/メーカー: マセマ
- 発売日: 2018/10/01
- メディア: 単行本
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線形代数入門も買いはしましたが,マセマに比べるととっつきにくく時間効率が悪いと判断したためやりませんでした.
固有値,固有ベクトル,正規化,対角化の流れさえつかんでおけば4,5年分は解けるようになるかと思います.それからカーネルやベクトルの性質等を詰めていけば十分かと.
また固有値計算やシュミットの直交化法において計算ミスすると悲惨な結果になるので正確な検算力やミスってる直感を鍛えておきましょう.
勉強法としてはマセマで基本的な公式と計算方法を学んだ後に大学院への数学を演習し,最終的に過去問演習をやりました.大学院への数学は幾何的なイメージを大事にする参考書なので線形代数をただの行列ではなく意味を理解しながら解けるのでお勧めです.ただ問題間違えや解答ミスが複数あるのでそこに気づけることが必要になります.
解析学
解析学は非常に範囲が広く何を対策したらいいかわからなくなりがちです.微積分学,常微分方程式などと書いておきながらフーリエ変換や複素積分,偏微分方程式がちょこちょこ出題されます.しかし,一番よく出るのは微積分学と常微分方程式なのでそれらをマセマで学習し基本公式を覚えた後にひたすら過去問演習,過去問に他の解析学分野が出てきたら参考書をパラ読みするくらいがちょうどいいと思います.(複素積分は知識として持っておいた方が実数の問題でも簡単になることがあるので覚えとくと便利です)
微積分学はマセマと大学院への数学,常微分方程式はマセマと黄色本をやりました.(が,常微分方程式で問われるのは一般解や特解を求めるような問題であり,黄色本は主に級数展開や収束性だったのであまり役に立たないかもしれません)
スバラシク実力がつくと評判の微分積分キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
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スバラシク実力がつくと評判の常微分方程式キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
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黄色本は異常なほど難しいです.解答が発想の異常者なので,あんまり参考になりません.しかし,もとは大学院入試の詰め合わせ,持ち合わせの知識で解けるように作られているので問題集としては十分です.
また複素解析は以下の参考書で学びましたが,がっつりはやっていません.行き帰りの電車で読む感じでした.
偏微分方程式は授業で少し齧りましたが,齧ったっきり放置だったので未だに何も知りません.ベクトル解析は本を借りたものの読みませんでした.解析で点取りを頑張りたい方は,これら含めて学習しておいた方が安心だと思います.
解析学は与えられた式をこねくり回して証明したり,大学入試のような微積分の証明問題であったり,典型的な常微分方程式を解く問題が主です.そのため基礎的なことを押さえたならば,後は過去問演習に費やすのが吉です.過去問演習において,解答を思いつくまでひたすら悩んで解くことが大事です.そうして得た知識や解法を別の問題にも結構応用できるので公開されている分の数学の過去問は全部最後まで解き切りましょう.
確率・統計
確率・統計は東京大学の学部入試のような確率問題,または大学数学で学ぶ確率統計の中からモーメント母関数やガウス積分,正規分布あたりが出題されます.前者は大学入試の参考書を引っ張ってくるか,高校数学の美しい物語などで典型問題を復習するとよいと思います.後者はマセマで対策後に黄色本をやり過去問演習に取り組むとよいかと思います.ちなみにt検定や複雑な分布系は出題されず,分布系が出たとしてもちゃんと導出できる親切設計になってることが多いです.
ただルールが複雑な確率が問1で出題されると全く手が付けられなくなり涙を流すことになるので未知のルールから法則性を導けるような勉強をしておく必要があります.これは過去問や黄色本をじっくり解くことで養われます.この作業が一番きついです.
スバラシク実力がつくと評判の統計学キャンパス・ゼミ―大学の数学がこんなに分かる!単位なんて楽に取れる!
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※マセマの確率統計は名前が変わって統計学に統一されています.中身はさほど変わりません.
ある確率に対して,モーメント母関数から期待値,分散を求めそこから正規化した結果,期待値が0,分散が1となることを自分の手で求められるようにできるようになりましょう.どれができるようになるとほかの分布にも対応ができるようになります.また漸化式を復習しておきましょう.確率を漸化式で求めさせてそこから答えに帰着させるような問題が頻繁に出ます.(特殊ルールにおける確率問題に多い)無限和と漸化式の関係を使う問題に慣れておくことが重要です.
まとめ
数学は結構難しいので専門科目全振りで数学は諦める姿勢を外部生は取りがちですがそれはもったいないです.他専攻が英語:数学:専門科目=1:1:2で取るのに対しコンピュータ科学専攻は英語:数学:専門科目=1:2:2と満遍なく取るという噂もあるので数学もちゃんと対策しておくと本番救われます.専門と同じくらいの比率で勉強しておきましょう.
東京大学大学院情報理工学系研究科コンピュータ科学専攻 英語対策(院試)
英語対策
英語はTOEFL IBTとITPの2種類があり,IBTは事前に何回も受けることができて4技能を試されます.ITPは東京大学が実施する技能試験でReadingとListeningのみが課されます.どちらを取るかは人の好みに依るので何とも言えませんが,IBTはspeakingやwritingがあるためややウェイトが重くなります.
さらに一回につき検定料が3万近くかかるので,お金に余裕のない学生にはお勧めできません.ITPは東大の受験料に含まれるので追加のお金を払う必要はありませんが,本番一発こっ切りです.個人的にITPの方が圧倒的に簡単なのでITPをお勧めします.私もそうしました.
参考書としてtoefl3800,公式問題集,駿台のITP専用問題集,全問正解する文法問題対策を一通りやりました.
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リスニングと長文は駿台の完全制覇で対策をするとよいでしょう.本番よりもリスニング少し早く難しいです.シャドウィングをして内容を覚えるくらいにやると当日結構聞き取れるようになります.長文は大学入試のような感じなので数をこなして時間内に解けるようにしましょう.あとは単語をしっかりと覚えることですね.
文法対策は全問正解するTOEFLITP文法問題対策で十分です.8割は安定してとれるようになります.心配な方は駿台の方で知識を補填するとよいでしょう.最後の仕上げとして公式問題集で時間を測りながらやりましょう.公式問題集の長文は単語が難しいので思うように点が取れないと思いますが,本番はあのレベルよりも簡単なことが多いので安心して本番に臨みましょう.
英語は550~570あたりが東大生の平均らしいです.噂では,よほど酷くない限り足切りは無くあくまでも参考程度に見られるみたいです.英語をやるくらいなら数学や専門科目に時間を費やした方が効率的です.
東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻に合格しました(東大院試 夏入試)
はじめに
2020年度の情報理工学系の大学院を受験(夏入試)してきました.私は外部生として受験しました.結果は以下の通りです.
しっかり対策したところは合格をいただけたという感じですね.
何を対策して本番はどんな流れだったのか自身の体験を基に順を追って書いていこうと思います.
私のスペックは偏差値60前後大学の理工学部に1年浪人の末入学,現役時代は日東駒専レベルの学歴でした.大学の授業自体は単位を落とさずにとってはいたものの内容はほとんど覚えていません.TOEIC600点前半の英弱です.
とても東大に入れるようなスペックではない私ですが,総勉強時間1500時間ほどで合格を頂けました.当ブログはかなり冗長ですが時間に余裕がある人はすべて見ていただければ参考になるかと思います.外部の人にとって情報って少ないですからね….
タイムライン
2018年
1月:開発職に就くためには大学院進学が必要だと気付く
3月:数学の参考書を買うもちゃんとやらず放置
5月:最高峰はどんな感じなのか知るため東京大学の院試説明会に行く
6月:志望校を決め,学費と受験料がいくら必要なのかを知る.稼げるバイトに変える.
7~11月:授業に遊びにバイトにだらけて結局勉強せず,でも英単語は少しずつやっていた.
12月:ようやく対策を始める.主に線形代数のマセマと大学院への数学
2019年
1月:確率統計のマセマと線形代数の大学院への数学を引き続きやる
2月:微積分学のマセマと大学院への数学,数学の過去問を始めるも全く解けず.パタヘネ本を読むも100ページで挫折.
3月:数学の過去問やるも解けず友人の解答の力を借りる.パタヘネ本を読了するも頭に入らず.論理回路に逃げる.いったんここで数学は対策を辞める.
4月:専門科目中心に対策を始める.東京大学の参考書リスト(https://www.i.u-tokyo.ac.jp/edu/course/cs/references.shtml)を基に必要なものを買う.アーキテクチャとOSと論理回路を対策.toeicを受ける.
5月:アルゴリズムとオートマトンをやるも参考書に答えがなく苦しむ.院試説明会に行きつつ東京大学の電情に進学した先輩から過去問をもらう.離散数学への招待をパラ読み.研究室訪問に行く.
6月:早稲田対策としてネットワークと電子回路を始める.6月はほぼネットワークとオートマトン.アルゴリズムしかやっていなかった.
7月:早稲田本番.電子回路が一問も解けず死んだかと思いきや合格.心に余裕ができる.数学対策に戻り解けなくなっていることに気づく.心に余裕がなくなる.数学と専門科目の過去問を必死で解く.数値解析をネットの資料で勉強し始める.OSは分厚い本を読み始める.TOEFL ITPの対策を始めるも点が取れない.目安500点いかないくらい.
8月:毎日過去問演習.初見の問題に対して考える力が身につく.CS本番,アーキテクチャが全く出ず悲しさに包まれる.そこから技経の勉強を始める.主に論理的思考能力の問題を解き小論文3年分を解く.技経本番,時間足りず爆死.技経1次試験で不合格.
9月:CS発表,合格.傾向が崩れたため差が出ず何とか滑り込めた模様.現在に至る.
学習内容
タイムラインを見てわかる通り,アーキテクチャとアルゴリズムをしっかりと対策していました.毎年CSでよく出題されるコンピュータアーキテクチャ,アルゴリズムとデータ構造,論理回路,形式言語とオートマトンを計800時間くらいやりました.(CS本番はほとんど出ませんでしたが…笑)過去問演習:参考書学習=3:7くらいです.
数学は線形代数,解析学,確率統計を500時間満遍なく対策しました.こちらは過去問演習中心で過去10年分を解きました.
英語は勉強に飽きたら隙間時間にやるくらい.残りの百数時間はネットワークや電子回路,数値解析等です.
今思い返せば参考書ばかり買い少し読んではやめるという無駄な時間が多かった印象です.これを読んでる皆さんは勉強を始める前に必要な教科と教材をしっかりと見定めてから勉強を始めましょう.
東京大学CSを受ける場合は数学全般,離散数学,アルゴリズム,コンピュータアーキテクチャ,論理回路,形式言語とオートマトン,数値解析,機械学習を学んでおけば十分かと思います.これだけでもめっちゃ多いですけどね.
東京大学技術経営はよくわかりませんがひたすらに過去問演習で力はつくかと思います.あとは経営っていうくらいだしタイムマネジメントが重要かな.
早稲田大学情報理工・情報通信はネットワーク,形式言語,アルゴリズム,コンピュータアーキテクチャ,論理回路, 電子回路を広く浅くやるのが得策です.ただ毎年各大門に1問マニアックなことを聞いてくるのでそこまでカバーしようとなると参考書を読み込む必要があります.
面接
コンピュータ科学専攻の面接ですが地下の一室に集められ全員が終わるまで帰れません.電波も入らないので暇つぶし用のパソコンか本を持っていきましょう.
面接は2セクションありました.1セクション目では軽い志望動機と質問を聞かれます.1セクション目は全員順番に呼ばれます.日本人なら日本語で面接してくれます.2セクション目は呼ばれてないのでよくわかりません.100人中15人程度2セクション目に呼ばれていました.多分第一希望に入れなかった人が第2希望の教授面接を行ってるのかなぁと,あくまでも予想ですが.人にもよると思いますが私の面接時間は1分にも満たなかったです.事前に研究室訪問していたからかもしれません.
(早稲田大学の面接については早稲田大学の方を参考にしてください)
各教科対策まとめ
参考書や近年の傾向は専攻ごとのまとめに書いてあるのでそちらを参照してください.
おまけ:早稲田大学理工学術院の合格体験記
このブログが皆さんの参考になることを祈っております.
※当ブログから得た情報によって不利益が生じた場合,私は責任を負いませんので予めご留意ください。
追記
一緒に受験した友人のブログです.彼の勉強法は僕のより参考になると思うのでこちらも読んでみてください.