東京大学大学院 情報理工学系研究科 コンピュータ科学専攻に合格しました(東大院試 夏入試)
はじめに
2020年度の情報理工学系の大学院を受験(夏入試)してきました.私は外部生として受験しました.結果は以下の通りです.
しっかり対策したところは合格をいただけたという感じですね.
何を対策して本番はどんな流れだったのか自身の体験を基に順を追って書いていこうと思います.
私のスペックは偏差値60前後大学の理工学部に1年浪人の末入学,現役時代は日東駒専レベルの学歴でした.大学の授業自体は単位を落とさずにとってはいたものの内容はほとんど覚えていません.TOEIC600点前半の英弱です.
とても東大に入れるようなスペックではない私ですが,総勉強時間1500時間ほどで合格を頂けました.当ブログはかなり冗長ですが時間に余裕がある人はすべて見ていただければ参考になるかと思います.外部の人にとって情報って少ないですからね….
タイムライン
2018年
1月:開発職に就くためには大学院進学が必要だと気付く
3月:数学の参考書を買うもちゃんとやらず放置
5月:最高峰はどんな感じなのか知るため東京大学の院試説明会に行く
6月:志望校を決め,学費と受験料がいくら必要なのかを知る.稼げるバイトに変える.
7~11月:授業に遊びにバイトにだらけて結局勉強せず,でも英単語は少しずつやっていた.
12月:ようやく対策を始める.主に線形代数のマセマと大学院への数学
2019年
1月:確率統計のマセマと線形代数の大学院への数学を引き続きやる
2月:微積分学のマセマと大学院への数学,数学の過去問を始めるも全く解けず.パタヘネ本を読むも100ページで挫折.
3月:数学の過去問やるも解けず友人の解答の力を借りる.パタヘネ本を読了するも頭に入らず.論理回路に逃げる.いったんここで数学は対策を辞める.
4月:専門科目中心に対策を始める.東京大学の参考書リスト(https://www.i.u-tokyo.ac.jp/edu/course/cs/references.shtml)を基に必要なものを買う.アーキテクチャとOSと論理回路を対策.toeicを受ける.
5月:アルゴリズムとオートマトンをやるも参考書に答えがなく苦しむ.院試説明会に行きつつ東京大学の電情に進学した先輩から過去問をもらう.離散数学への招待をパラ読み.研究室訪問に行く.
6月:早稲田対策としてネットワークと電子回路を始める.6月はほぼネットワークとオートマトン.アルゴリズムしかやっていなかった.
7月:早稲田本番.電子回路が一問も解けず死んだかと思いきや合格.心に余裕ができる.数学対策に戻り解けなくなっていることに気づく.心に余裕がなくなる.数学と専門科目の過去問を必死で解く.数値解析をネットの資料で勉強し始める.OSは分厚い本を読み始める.TOEFL ITPの対策を始めるも点が取れない.目安500点いかないくらい.
8月:毎日過去問演習.初見の問題に対して考える力が身につく.CS本番,アーキテクチャが全く出ず悲しさに包まれる.そこから技経の勉強を始める.主に論理的思考能力の問題を解き小論文3年分を解く.技経本番,時間足りず爆死.技経1次試験で不合格.
9月:CS発表,合格.傾向が崩れたため差が出ず何とか滑り込めた模様.現在に至る.
学習内容
タイムラインを見てわかる通り,アーキテクチャとアルゴリズムをしっかりと対策していました.毎年CSでよく出題されるコンピュータアーキテクチャ,アルゴリズムとデータ構造,論理回路,形式言語とオートマトンを計800時間くらいやりました.(CS本番はほとんど出ませんでしたが…笑)過去問演習:参考書学習=3:7くらいです.
数学は線形代数,解析学,確率統計を500時間満遍なく対策しました.こちらは過去問演習中心で過去10年分を解きました.
英語は勉強に飽きたら隙間時間にやるくらい.残りの百数時間はネットワークや電子回路,数値解析等です.
今思い返せば参考書ばかり買い少し読んではやめるという無駄な時間が多かった印象です.これを読んでる皆さんは勉強を始める前に必要な教科と教材をしっかりと見定めてから勉強を始めましょう.
東京大学CSを受ける場合は数学全般,離散数学,アルゴリズム,コンピュータアーキテクチャ,論理回路,形式言語とオートマトン,数値解析,機械学習を学んでおけば十分かと思います.これだけでもめっちゃ多いですけどね.
東京大学技術経営はよくわかりませんがひたすらに過去問演習で力はつくかと思います.あとは経営っていうくらいだしタイムマネジメントが重要かな.
早稲田大学情報理工・情報通信はネットワーク,形式言語,アルゴリズム,コンピュータアーキテクチャ,論理回路, 電子回路を広く浅くやるのが得策です.ただ毎年各大門に1問マニアックなことを聞いてくるのでそこまでカバーしようとなると参考書を読み込む必要があります.
面接
コンピュータ科学専攻の面接ですが地下の一室に集められ全員が終わるまで帰れません.電波も入らないので暇つぶし用のパソコンか本を持っていきましょう.
面接は2セクションありました.1セクション目では軽い志望動機と質問を聞かれます.1セクション目は全員順番に呼ばれます.日本人なら日本語で面接してくれます.2セクション目は呼ばれてないのでよくわかりません.100人中15人程度2セクション目に呼ばれていました.多分第一希望に入れなかった人が第2希望の教授面接を行ってるのかなぁと,あくまでも予想ですが.人にもよると思いますが私の面接時間は1分にも満たなかったです.事前に研究室訪問していたからかもしれません.
(早稲田大学の面接については早稲田大学の方を参考にしてください)
各教科対策まとめ
参考書や近年の傾向は専攻ごとのまとめに書いてあるのでそちらを参照してください.
おまけ:早稲田大学理工学術院の合格体験記
このブログが皆さんの参考になることを祈っております.
※当ブログから得た情報によって不利益が生じた場合,私は責任を負いませんので予めご留意ください。
追記
一緒に受験した友人のブログです.彼の勉強法は僕のより参考になると思うのでこちらも読んでみてください.